幸せ家族計画
「落としたよ」
高いところにあったサトルくんの頭は、印鑑を拾うためにしゃがんだから、今度は見下げないと見れなくなる。
そうしてじっと見てると、顔をあげたサトルくんと目が合う。
あ、これは変わってない。
くりくりしてて、邪気がない瞳。
ちょっとホッとして、ようやく笑顔が作れた。
「あ、ありがとう。まだ遊んでるみたいだから、サトルくんも入ってよ」
ドキドキしてるのがばれないようにって思ってるけど、声が裏返ってる。
ああもう、なんなのこれ。
「あいつら、悪さしてない?」
「大丈夫。サイちゃんよりお利口。それに女兄弟いないから、ルイちゃんと話すの楽しいし」
「ならいいけど。あ、そうだサユちゃん」
「な、何?」
突然、手首を掴まれてびっくりする。
何でこんなに大きいの。
力だって、昔はこんなに強く無かった。
それに声も。
こんなに低くなかったでしょ?
前に立たれたら、サトルくん以外が見えなくなるほど、いつの間に大きくなっちゃたの。