幸せ家族計画


「あーすっかり遅くなった。ほら、帰るぞ」

「待ってよー。サトル兄ちゃんこっちはー?」

「サイジ、また今度な。じゃあ、お邪魔しました」

「あ、……気をつけてね」

「うん。またね。サユちゃん」


大きな体が、お腹あたりまでしかない双子の体を急きたてて玄関から消えていく。

何だか心臓が治まらない。

今の出来事は本物だったの?


「ねーちゃん、どうしたの?」

「え?」

「熱でもある?」


眉をひそめて、私の額に手を伸ばすサイちゃん。
小さな手はひんやりしていて気持ちいい。


「冷たい手ね、サイちゃん」

「ねーちゃんは熱いよ。大丈夫?」

「大丈夫」


そのうちに玄関の扉が開いて、収まりかけていた動悸が再び激しくなった。

現れたのはお母さん。

キリリと後ろで髪を結って、細身のスーツに身を包んで快活そうに笑う。
痩せているからかな、年齢よりは若く見える気がする。

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