幸せ家族計画


自分の体調の事は自分が良く分かってる。

眠いだけじゃ無く、時々吐き気がする事もあるのだ。
だから何となく、そうなんじゃないかとは思っていた。


「……やっぱり」


午後から買い物に行って手に入れた妊娠検査薬とにらめっこしている私。

検査の結果は予想通りの陽性だ。


「どうしよう」


何だか、呼吸が苦しくなる。
大好きな人の子供なのに、どうしてこんな気持ちになるんだろう。


とりあえず、達雄にこれが見つからないように、紙袋で包んでゴミ箱にいれる。
そしてお腹をそっとさすってみた。


本当に居るのかな。

私と、彼の赤ちゃん。

全然実感が湧かない。


子供について、彼と話し合った事はなかった。
欲しいとも、欲しくないとも。

普段から性生活はあるけれど、自然な流れで避妊をしていたから、思い当たるのはあの日しかない。

妊娠検査薬の空箱を眺めながら、一つ溜息をつく。

図らずもその日は、『彼からの信頼』というものに対して、疑問を抱いてしまった日だからだ。


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