幸せ家族計画

「なんでそう言いきれるの?」

「紗彩は絶対俺の事を好きにはならない。
分かるんだ」


そこまで言いきれる根拠が私には分からない。

疑問が取り払えないまま、彼の手を軽く握り返すと、体の向きを変えられて正面から抱きしめられた。


「アヤ」

「おに……たつ、お」

「お前が俺に好きだと言ってくれた後、真っ先に俺に正直になれと言ってくれたのは紗彩だ」

「え?」

「別れようって。もう慰め合ってる必要なんかないって」

「紗彩さんが?」

「すぐにそういう風に言えるくらい、最初から割り切ってた関係だったんだ。
それに紗彩は俺にとって、数少ない相談相手でもあったし」


少し体が離されて、頬を撫でられる。

顎を持ち上げられてそれに従うと、やっぱり寂しそうな瞳とぶつかった。

『信じてくれないのか』と、訴えているような瞳。

こんなの、見たくなかった。

ものすごく悲しくなってきて、私はうつむいて視線から逃れる。
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