魔天戦史
「…さて、と…」
京介はケイタイを取り出した。
「…げっ、もう三時過ぎてるじゃねぇか…はぁ、さっさと戻って寝るか…」
京介はケイタイをしまって寮に戻った。



京介は寮の前に戻って来た。
「…今日は何でこんなに忙しかったんだろうな…早く寝たいぜ…」
「…こんな時間まで何をしてたんですか?」
その声に京介は振り返った。
「…蓮…」
そこには一人の黒い腰まで伸びた髪に黒い瞳の女性がいた。
「…京介さん…宗家の貴方が、何故こんなところに…」
「…必要だと思ったからだ。他に理由がいるのか?」
「…それは、来たるべき戦いの日のためですか?」
「…今は国連統合軍が押さえているが、いずれは一般にも知れ渡る事だ…その時、戦えるのは、俺達の様な人間だけだ。」
「…『王』…ですか…しかし、私達だけでは、少な過ぎる様に思えるのですが…」
「戦いとは、数だけじゃない。質も大事なんだよ。王の力は、単純な換算でも兵士三万人に匹敵する力がある。それに、王は俺達だけじゃない。」
「…え…?」
京介は女性の反応を見て笑みを浮かべた。
「まぁ、お前がそう気張り過ぎる事は無いだろう。直に人員も揃う。それまでは、大人しく鍛練に励んでいるといい。じゃあな。俺はもう寝る。」
「あら、私も寮はここなんですが…」
「…そ、そうか…」
蓮と呼ばれた女性は京介が開けた扉は先にくぐって中に入った。
「…はぁ…なんだかな…まぁ、いいか…はぁ…早く寝るか…」
京介は肩を落としながら自分の部屋に戻った。京介は着替える事もせず、そのままベッドにその身を沈めた。
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