魔天戦史



「はぁッ!」







レオンと勇翔は、ただひたすらに打ち合った。



かわしては切り付け、またかわしては切り付ける………



そんなことを繰り返してから、三十回合。



ここに来て、体力と地力の差か、勇翔が膝をついてしまった。




「…ハァ……ハァ……ッ!」



「……これまでだな。レオン、剣を納めろ」


緋凰に従い、レオンは剣を納めた。


レオンは後ろに下がり、入れ替わりで緋凰が前に出た。






「勇翔、君の剣術の腕は見せて貰った……ジャッジメントの特務隊長であるレオンとここまで互角に斬り結ぶとは……やはり血は争えんな。流石は剣帝の息子だ……」




「ハァ……ハァ……父さんを、知ってるんですか…?」



「……知っているとも…この国連統合軍に在籍する者の中で、彼を知らない者はいない……いるはずがない……」


「………………?」




勇翔は緋凰の言う意味が分からなかったが、聞く前に緋凰が話を切り出して来た。




「……今は、その話はいい。さぁ、今度は私が相手だ。今度は魔法……それも、特別な魔法を教えよう……」




片膝をついている勇翔は、更なる訓練に若干呆れて来ていた。















「………着いたぞ、京介」




憲蔵に連れられて、京介は地下の闘技場にやって来た。




「お前には、更なる魔法の技……『エンシェント・アーツ』を習得して貰う…」



「……エンシェント・アーツ……?」




「魔法を極めた先の、究極の技だ。これを会得出来なければ、お前を紫閃大隊に入隊させることは出来ない……」





二人は互いに向き合って、訓練を始めた。





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