【完】俺だけを愛して溺れろ。



けど、あたしは泣かない。



気が弱い人間にはなりたくない。



あたしは下唇を強く噛み締める。



「よし。俺も写真立て買おうかな」



中島は柔和な笑みを浮かべながら、あたしが手に取っている写真立てと同じものを手に取る。



『……お金大丈夫なの?』



「俺を誰だと思ってんの?」



『……』



「……」



『ドッグタグもお揃いにしちゃう?』



「当たり前」



中島のその言葉に思わず口元が緩む。


< 157 / 357 >

この作品をシェア

pagetop