【完】俺だけを愛して溺れろ。



「なぁ、凜。一つ提案があるんだけど」



『ん?』



「ドッグタグさ。俺が凜のドッグタグを付けるから、凜が俺のドッグタグを付けてよ」



『……』



「もし万が一、凜の身に何かあった時、真っ先に駆け付けるのは、」



“俺”だ――。



あたしにとって、素晴らしい殺し文句だった。




その言葉に救われた。



あたしは繋がれた指先に、少しだけ力を込める。


< 158 / 357 >

この作品をシェア

pagetop