【完】俺だけを愛して溺れろ。
蒼空はあたしの額に容赦ないデコピンを食らわす。
痛さに顔を歪めると、クスクスと笑みを溢しながらあたしからゆっくりと離れた。
「ただ、凜の過去を知っているのは俺だけみたいだし?」
……おかしい。
「それに、俺に触られても凜は嫌がってなかったし?」
違う。
「もしかしてって思ったけど、俺の勘違いだったみたいだね。ごめん、ごめん」
『っ、蒼空!?』
笑顔が違う!
異変に気付いたあたしは、蒼空の両肩を掴む。