【完】俺だけを愛して溺れろ。
優しく安心感を抱くような嗅ぎ覚えのある香り。
左斜め後ろを振り返れば、柔らかい緑色の瓶が置かれていた。
『(多分、この香り)』
あたしはムエットに香水を吹きつけ、多少間を置いてから鼻に近付ける。
『(間違いない)』
蒼空の匂いだ。
そう確信すると、店員さんがやって来た。
「付きたてはレモンなどの柑橘系の香りで、しばらくすると緑茶系の香りに変化します。匂いもきつくありませんし、男女共に人気のある商品ですよ?」
にっこりと営業スマイルを見せる店員さん。