【完】俺だけを愛して溺れろ。
あたしはさっさとお釣りとコーラを取り出し、中島を一瞥せずに歩き出す。
しかし、中島もすぐにあたしの跡を追う。
「ちょっ、凜。待てよ」
誰が待つか。
歩くスピードを速める。
「え、無視?俺、存在否定されてる?」
『(このまま、あたしのことを嫌いになってくれれば……)』
「俺から逃げれると思うなよ」
『(あぁ、無理か)』
中島が片手であたしの腕を掴み、強い力で制す。
つくづく、ゴキブリ並みに鬱陶しい野郎だと思うよ。
イライラしながらも振り向く。