【完】俺だけを愛して溺れろ。



あたしはさっさとお釣りとコーラを取り出し、中島を一瞥せずに歩き出す。



しかし、中島もすぐにあたしの跡を追う。



「ちょっ、凜。待てよ」



誰が待つか。



歩くスピードを速める。



「え、無視?俺、存在否定されてる?」


『(このまま、あたしのことを嫌いになってくれれば……)』


「俺から逃げれると思うなよ」


『(あぁ、無理か)』



中島が片手であたしの腕を掴み、強い力で制す。



つくづく、ゴキブリ並みに鬱陶しい野郎だと思うよ。



イライラしながらも振り向く。


< 38 / 357 >

この作品をシェア

pagetop