【完】俺だけを愛して溺れろ。



「凜。本当は中島のこと、嫌いじゃないでしょ」



“大嫌い”



そうだよ。



あたしは中島のことが――…



『っ、』



あたし、何してるのよ。



何で、口が開こうとしないのよ。



焦りが生じたあたしは、胸の動悸が速まる。



「ねぇ、」



それ以上、何も言わないで。



「思い込みは、」



お願い。



「自分の首を絞めるだけよ?」



あたしの決心が鈍るじゃないか。



あたしは下唇を噛み締める。




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