一緒に暮らそう
 紗恵はターコイズブルーのビーズのブレスレットを気に入った。彼女がそれをレジに持っていこうとすると、後ろから新多が声を掛けてきた。彼は自分がそれを買って彼女にプレゼントしようと言った。

 紗恵は一瞬ためらった。今の二人の関係は、はたしてそんなものを買ってもらえるようなものなのだろうか。微妙な関係だ。

 彼女の戸惑いの表情を見て取った新多が付け加えた。「いつもの家事のお礼だ」と。
 それを聞いた紗恵は、すぐに彼の厚意を受け入れた。
 彼は自分を喜ばせたいのだ。素直にその気持ちを受け止めようと彼女は思った。

 新多が会計を済ますと、彼女はうれしそうに、左手首に淡いブルーのブレスレットをはめた。その様子を見た新多も表情をほころばせていた。
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