一緒に暮らそう

 夢のような週末が開けて、再び週末が巡ってきた。
 
 今週の新多は土日ともに休日出勤だった。
 仕方なく紗恵は珍しく職員寮で休日を過ごした。週末に部屋を空けていることが多いので、彼女が久しぶりに部屋に滞在していることに他の職員が驚いていた。
 先週、思い存分二人きりの時間を楽しんだのだから、二週間ぐらい会えなくても平気だろうと紗恵は思った。

 ところが、翌週の土曜日、新多は体調を崩して寝ているとメールをよこしてきた。
 紗恵の見舞いの申し出を、彼は病気をうつしたら申し訳ないという理由で断った。風邪をひいたらしい。

 彼のことが心配だったが、マンションへは来てくれるなということなので、紗恵はその週末も大人しく部屋に閉じこもっていた。
 これで三週間彼に会えないことになる。
 携帯で話す彼の声を聞くと、回線を通しても元気がないのが伝わってくる。不安が胸をよぎる。
 すぐに会いにいくことのできない距離がもどかしい。

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