【完】君と流れ星を。
7人乗りの少し大きめの車。
車内は意外にも片付いていた。


「紗奈ちゃん、助手席乗りなよ」


海斗先輩の言葉に「でも……」とつぶやく。


「絶対あいつも俺らよりお前の方がいいって言うから」


先輩ではなく、澤田くんが車に乗り込みながらそう言ってくれた。

お言葉に甘えていいのかな?

私は緊張しながら助手席のドアを開けた。



運転する先生の横顔。
窓から吹き込む風が髪を揺らした。


……どうしよう。
緊張してうまく話せない。

先生と海斗先輩は今日の予定を話してるし、澤田くんは携帯を開いてなんかゲームしてるみたいだし、大島先輩は寝てしまったみたい。


うう……話題が見つけられない。
< 114 / 497 >

この作品をシェア

pagetop