【完】君と流れ星を。
辺りは急に暗闇になる。


「どうですか?お姫様?」


真後ろから先生の声がして驚く私を海斗先輩が笑った。


「ダメですよ先生。彼女を驚かしたりしたら」


そんなやりとりも空を見上げた私の耳には届いてこない。

そこには見たこともない数の星が瞬きを繰り返しながら輝いていたからだ。


「星ってこんなにあるんですね……」


独り言のように小さな声しか出せなかった。

だけどこの景色には私の小さな声すら邪魔な雑音のように感じた。
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