【完】君と流れ星を。
でも、唇を通してこの鼓動の速さが伝わればいいと思った。


私は、先生が好き。

好きだからこんなにドキドキしてるんです、って。

伝わればいいと思った。



このまま、振り返ってみようかな。

振り返ったら、首でも、おでこでもないところに触れてくれるかも。


欲張りになっていく気持ちをどうしたらいいのか分からない。


だけど、そこから踏み出す勇気もなくて、ただ、じっと先生の呼吸に耳を澄ませていた。




「…………今日はもう帰りなさい」


「……え?」


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