【完】君と流れ星を。
低く、甘く響く声は、切なく、でもNOを言わせない言葉だった。


いつもの奥の椅子に座って、タバコに火をつける先生。

吐き出された煙は無機質な蛍光灯の明かりの下で、霧のように私から先生を覆い隠していく。



私は静かに部屋を出た。

ふと、教室の机の中に、星のことを調べて書いたルーズリーフを忘れてきたことを思い出したけど、とても続きはできそうにない。



雨は街を濡らし、ニュースの声が梅雨の訪れを告げた。
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