【完】君と流れ星を。
――――――
――――



朝からひどく寒かった。


『空は重い雲に覆われ、夜には初雪が舞うかもしれません』

天気予報担当のお姉さんが寒そうに告げた。



雪か……積もるかな。

積もったら、きっと梨紗が俺んちのインターホンを鳴らしに来る。


『いっくん!積もったよ!雪だるま作ろ!!』

なんて言って。

きっと犬みたいにしっぽがついていたなら、パタパタと嬉しそうに振っているに違いない。


俺はそんな梨紗に、『子供みたいな事言うな』なんて、偉そうに言うんだ。


そう、それがいつもの冬の光景だった。
< 204 / 497 >

この作品をシェア

pagetop