【完】君と流れ星を。
俺は子供で、ビビりで、何もわかっていなかった。

いや、見ないふり、聞いてないふり、気付かないふりを繰り返すだけだった。



幸にいから呼び出された時、嫌な予感はしていた。

ただその予感が外れることだけを俺は願っていたんだ。



『幸にい、どうしたんだよ?』


『……梨紗と付き合うことになった』


『……そっか……よ、良かったじゃん』


冷静を装ったつもりだったけど、声が微かに震えるのを止められない。


『樹、お前それでいいの?』


< 205 / 497 >

この作品をシェア

pagetop