【完】君と流れ星を。

「大丈夫ですよ。海斗先輩も同じ気持ちだと思います」


2人とも同じ気持ちなのに、私と先生の絆なんかより、ずっと確かな絆があるのに。


「先輩、今までのこと全部忘れます。だから、勇気を出してもらえませんか?」


押し付けがましいお願いだけど、私の勝手な自己満足だけど、2人の幸せを願わないわけにはいかなかった。


少しの沈黙に夏の匂いを含んだ風が通り抜けた。

雨が上がったみたい。


「……わかった。すぐには無理だけど、頑張る。約束する」


その言葉に笑顔でうなずいた。
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