【完】君と流れ星を。

* * * * *


日が暮れて、グラウンドには生徒たちが次々と集まっていた。

飛び出してきた実験室に戻ると電気が消えていて、外が騒がしい分、妙な静けさに包まれている。


バッグを取ろうとしたとき、外の明かりで浮かぶ人影に気がついた。


「……なんで暗い顔してるわけ?」


「び、びっくりした……澤田くんかぁ」


澤田くんは机に座って、私の方を見ていた。


「あいつもお前が好きで、お前もあいつが好きで、それだけの話だろ?」


「……そんな簡単じゃないの」


あ、こんな言い方……まるで八つ当たりだ。
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