【完】君と流れ星を。
たしかに先生は私を好きだと言ってくれた。

でも私はその言葉を素直に受けとれなかった。


その言葉は私だけのものなのか、疑い、迷う気持ちを消すことができない。




「何悩んでんの?」


彼は机から降りて私の方へと少し近づく。

私は言葉が返せず、微かな明かりを頼りにして彼の動きを目で追う。




「俺は、藍原が好きだから」




え……?




「お前の悲しい顔なんて見たくない」


窓から差し込む明かりが澤田くんの表情を映し出して、その意思の強い瞳は私だけに向けられいる。


「私は―――」


「いいよ、言わなくて」


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