【完】君と流れ星を。
きっと去年ならおばあちゃんが優しくハンカチを差し出して、『走るからでしょ』なんて言ってくれた。


風がより一層強く吹いて、スカートとマフラーを揺らした。




お墓の前までやってきて、私は荷物を下に置く。



あれ?


私はすぐに気がついた。

いつもこの日……お父さんとお母さんの命日には、私より先に誰かが綺麗な花を手向けてくれてたのに。



今日はそれがなかった。


「だったら買ってくればよかったなぁ」


まあ、いつもはその『誰か』任せで花を買ってない私が悪いんだけど。
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