【完】君と流れ星を。
男の人の背中って大きいなとあらためて思いながら、私はなぜか幼い頃を思い出していた。

昔、こんな風に誰かの後ろを喜んでついて歩いた気がする……お父さんかな?



校舎を出て、正門ではなく裏門へ向かう。

陽はとっくに暮れて、部活動をしていた生徒たちが帰りながら先生に挨拶していく。


私は無意識に先生から少し距離をとった。


門を出て、坂を上る。

坂はずっと上まで続いていて、私は息を切らしながら歩いた。


「せ、せんせっ……ちょっと、まって」


「ほら、早く来い」


街灯の下の先生の笑顔がなかったらもう歩けなかったかも。
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