【完】君と流れ星を。
少し高台になった場所ある建物の前で先生は立ち止まって、そしてドアを開けた。


「おー樹、いらっしゃい。みんな待ってるよ」


そこは喫茶店だった。

アンティークな雰囲気と、コーヒーの香りが店中を満たしている。


先生のことを『いつき』と呼んだ、店のマスターだと思われる男性と目が合って……そしてなぜか彼は少し驚いた顔をした。


「こんばんは。この子は新しい部員」


先生はそう言って私を紹介した。


「はじめまして。藍原紗奈です」


「倉地です。よろしくね」


そう言ってマスターは優しく笑ってくれた。
< 79 / 497 >

この作品をシェア

pagetop