社長!好きです!
「久利生さん、どうぞ飲んで下さい。」
能成くんが私にビールを注ぎ
自分で自分のにも注ごうとし
「あ、私注ぐよ。」
そう言うと
「え、いいんですか?
嬉しいな~。」
本とに嬉しそうにグラスを出してきた。
そんなに喜ばれるほどのことじゃないんですけど・・・
なんかやっぱり能成くんに気に入られてしまったようだ。
「能成!
お前な、和ちゃんにお酌させるなんて
10年早いんだよ!」
また、由が余計なことを言った。
酔っ払いは黙ってろっ!
そう思いつつ
すぐに私も条件反射?で社長の様子を窺ってしまい・・・
また・・・目が合ってしまった・・―――
イヤ~な感じの視線。。。
でも、気にしないでおこう。
「俺、副社長より年上なのに
いつもこれですよ。
俺ってダメですよね・・・。」
能成くんがボソッと言った。
そうね。
確かに・・・
年も上だし
体格だって由よりずっといいのに・・・
やっぱり
その見た目に似合わず気が小さいとこ?
気付かれてるんでしょうね?
同情していいやら・・・どうやら・・・
「気にしない気にしない!
あんなのより能成くんの方が
いいとこいっぱいあるんだから自信持って!」
取り合えず適当に励ましてみたら・・・
「やっぱ、久利生さんってカッコいいです!」
勝手に感動してた。
いいんですけど・・・
でも、実際に能成くんのいいとこいっぱいなんて・・・
知りませんけど・・・―――