☆ソラ☆
階段を上げっていると、階段の上で大倉君の姿が見えた。
私の足は咄嗟に止まり、連が周りにいないことを確認した。
大倉君は誰かと話しているようで、その相手は私たちに背を向けていたので顔がわからなかった。
大倉君は階段にいる私たちに気づくと「久しぶり!」と言ってきた。
それと同時に、大倉君と話していた相手が振り返った。

私は振り返った人の顔を見て驚いた。

大倉君と話していた人は屋島遼だったからだ。
遼が帰ってくることは彩から聞いていたが、すっかり今まで忘れていた。

「菜緒?菜緒だよなぁ??」

遼は2年前とは違って背がぐ~んと伸びていて大人っぽくなっていたが、私に向けられた笑顔はあの頃と全然変わっていなかった。

「遼!!」

私は急いで階段を上がると遼の腕を掴んで大声を出していた。

「相変わらず、うるせぇな。」

「久しぶり!!元気だった??」

「おう!菜緒、変わってねぇな。」

遼はそう言いながら私の髪をクシャクシャとして笑った。
いつもの癖だ。
遼は私に会うといつも私の髪をクシャクシャにする。

「背伸びたね。昔は私と同じぐらいだったのに。」

「そりゃぁ、成長期だからなっ!!まだまだ伸びるぞ!!菜緒は…縮んだ??」

遼はふざけながら私を見下ろして言った。
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