あなたを好きになってもいいですか?―初恋物語―
『まだ決めてないのかよ! いい加減、マネがいないのにはキツイぞ』

図書室から本を3冊ほど借りてきた私は、自分の教室に入った

教室内にはバスケ部のジャージを着ている霧島君と、バスケ部員の人が何かを言い合っている

私が教室に入ってくるのを確認にしたバスケ部員の男子は、ゴホンと喉を鳴らすと声のトーンを下げた

「早く決めろって」

なにやら良い雰囲気ではなさそう

私が居ないほうがきっといいよね?

早く荷物を纏めて、教室を出なくちゃ

私は借りてきた本を鞄の中にそそくさと入れ始めた

「募集はかけてる」

霧島君がバスケ部員に、口を開いた

「結構、希望者はいるんだろ? その中の一人や二人…ぱぱっと決めちゃえよ」

「どいつもこいつも、マネを真剣にやる気じゃない」

「でもマネの募集で来てるわけだろ?」

「真面目にやってくれないなら、やってもらう必要はないだろ」

「なんでそう……誰だっていいだろ? 今は緊急なんだ。早くマネが欲しいんだよ」

「早く…」と呟きながら霧島君の顔が動くのが目の端に映った

私を見ている?

私は思わず顔をあげると、霧島君の目を見つめた

な…なに?

私、何かいけないことしちゃったのかな?
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