あなたを好きになってもいいですか?―初恋物語―
「あ、ごめ…。すぐに教室を出るから」

私は急いで鞄を肩にかけようとして、手が滑り、床に鞄を落としてしまう

ああ…もう、こんな時に何をしているんだろう

鞄が開けっぱなしになっていた私は、中味がぶちまけられた己の無残な鞄に視線を落とした

床に散らばった教科書や、ノート、図書館で借りてきた本を慌てて拾う

「園崎って、なんか部活やってる?」

近づいて私の筆箱を拾ってくれた霧島君が、質問してきた

「何もやってないけど…」

「帰宅部であるのに深い理由がある?」

「特にないけど…」

「バスケのマネに興味ある?」

「え?」と私は顔をあげたまま、身体が固まった

霧島君、何を言っているのだろうか?

「マネの一人が辞めちゃって。かなり困ってるらしいんだ。俺はあんま気になんないけど、他のヤツらが特に辛いらしくて。だから、園崎に頼もうと思って」

「私でいいの?」

私は霧島君から筆箱を貰いながら、後ろに立っているバスケ部員を見やった

「キャプテンのオッケーが出ないと、決まらないんだ。霧島が良いって言うんなら…」

本当は違う子がいいけど…と言わんばかりの顔で、バスケ部員の人が頷く

霧島君の許可がないと…決まらないんだ

「私、きっとたくさん迷惑かけちゃうと思うけど。バスケットって体育のときにしかやったことないよ?」

「園崎が試合に出るわけじゃねえんだから、ルールなんて関係ねえし。タイム測ったり、合宿のときに飯を作ってくれればいいから」

「それなら…出来るかも」

それに霧島君と一緒に過ごせるなら……やってみたいかも

「じゃ、決まりだな」

霧島君がにこっと笑った
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