世界が逆転した日
「それでこれからどうするの?ずっと明宏くんの家にいるわけにも行かないでしょ?
俺の家に来たら?俺は一人暮らしだから、全然構わないから。
あっちゃんも知り合ったばかりの明宏くんの家にいるより、俺の家に住む方が気が楽なんじゃない?」


亮ちゃんとは8年、いや高校の時からだからもっと長い付き合いだ。
明宏とは知り合ってからまだ1年も経ってない。

そう言ってもらえるのは嬉しいけど、俺は...。



「あっちゃん...、行かないでください。俺にはあっちゃんが必要なんです。」


なんて返事をしようか迷っていたら、俺の手を握ってそんなことを言う明宏。

明宏...。

明宏に必要とされているということが嬉しくて、亮ちゃんの家だということも忘れてそっと手を握り返した。

しばらく二人の世界に入っていたら、亮ちゃんにニヤニヤした目で見られてしまった。
そういうことねと納得したようにうなずく亮ちゃん。

なんか、すごく嫌な予感がするのは気のせいでしょうか。
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