世界が逆転した日

君なんだ

この世界に戻ってきてから、1ヶ月。

一度ケンカをしたくらいで、後は特に大きな問題も起きず平和に暮らしている。

俺がいたバンドも順調に活動しているみたいだ。
亮ちゃん以外とは会ってないけど。

ボーカルの女の子を巡っての問題も、なんとか解決したとか。

彼らのことはずっと会えなくても忘れられないし、忘れたくない。
あっちの世界のように有名なわけではなかったけど、8年間一緒にやってきた仲間だから。

未練がないわけではないけど、今の生活には満足している。

だって、明宏がそばにいてくれるから。

あの日、明宏に会った日から、こうなるって決まってたのかもしれない。

どれだけ否定しても、間違ったことだとしても、俺には君だけなんだ、と。
< 187 / 203 >

この作品をシェア

pagetop