世界が逆転した日
明宏と暮らし始めて、まだ一週間だけど、
俺は明宏のことをたくさん知った。

俺よりも3つ年下で、
アメリカの有名な、俺でも知っているような大学に通っていたこととか。



明宏は少し変わっていて、それから、
すごく優しい。


俺といる時はたくさん話すから、人懐こいのかと思っていたけど、
そうではなく、人付き合いは苦手らしい。

以前は、家にお手伝いさんが来ていたらしいけど、それもわずらわしくなって、
全員辞めさせたとか。

なるべく人と関わりたくないみたいだ。

それなのに、俺が居ていいのかと言ったら、
あっちゃんは別です、と言っていた。


小さい頃から両親にはほとんど会ったことがなく、ベビーシッターに育てられたらしい。


中学に入ってからは、ほとんど1人で生活していたと言っていた。

このとんでもなく広い家で、たったひとりきり。

< 20 / 203 >

この作品をシェア

pagetop