世界が逆転した日
そうそう、明宏は新しい研究を始めた。

俺がパラレルワールドに行ってしまった原因について、だ。
原因がわからなけば、何度も行ったり来たりすることになる、と言っていた。

もう1人の俺が今どんな状態なのかということも気になる。
ちゃんと自分の記憶を思い出したのかどうか。
俺が彼の人生に介入したことによって、何か不利益をもたらしていないかどうか。

俺の専門分野だから任せてくださいと言っていたから、この問題は明宏に任せることにしよう。


俺があっちの世界で過ごした3ヶ月、明宏にとっては1か月。
明宏がもう1人の俺とどんな風に過ごしていたか、は怖くて聞けずにいる。


いくらもう1人の俺だといっても、明宏が他の誰かとイチャイチャしていたなんて、やっぱり嫌だから。


きっと俺は嫉妬して...。

って違う!嫉妬じゃなくて!

むしろ俺はもう1人の俺に対して少し怒っているんだ。

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