私と君の夏限定
「なんや、自分…まだ居ったん?」
俺の問いかけを無視し、ピアノを弾き続ける女
「ええ加減にせぇよ?」
俺がそういうと女はピアノを弾くのをやめた
「もう、志貴先生はうるさいなぁ」
悪びれもせず俺を見る
───ほんま、何なんや…
「で私に何か用、志貴先生?」
「何でまだここに居るん?」
「何でって…私の勝手だよね?」
小さく溜め息をつく女
あかん。ほんまイラつくわ
「ずっと思ってたけど、志貴先生はどうしてそんなに私が気に食わないの?」
「決まっとるやないか」
「私がいきなり現れて蓮斗の未来の奥さんって言ったから?」
「なんや…分かってるやないか」
「志貴先生はほんと昔も今も変わらないね」
そういい溜め息を吐く女
「やっぱ私のこと嫌いなんだね」
ピアノのフタを閉め、音楽室を出て行こうとする
「ちょい待てや」
「なに?」
出て行こうとする女の手をつかみ止める
「早く出て行って欲しいんでしょ?だったら離してよ」
「自分、蓮斗たちの邪魔したら許さへんで」
「…それは無理かな」
俺の手を振り払い扉に手をかける
「だって私、過去を変えにきたんだから。
じゃあね、志貴せんせー」
ヒラヒラ手を振り出て行く女
─────過去を変えるってどうゆうことや
最後に女が言い残していった言葉が俺の中に引っかかった
志貴side end