愛するということ
3年目に突入した大学生活で、劇的な変化をしたのは、滝川教授との出会いだったと思う。



滝川教授は、自身の設計事務所では大きな施設のコンペにも参加し、数多くの設計をしているが、小さな個人用住居の設計も得意とする。





俺は、滝川教授の作る『家』を見た時、そこに長い間住むであろう人々の生活が手に取るように見えてくるその設計に衝撃をうけた。



決して押しつけではなく、目を引くデザインでもないのに、自然と受け入れられる家。



そこに住む人一人ひとりの将来にわたる快適さを緻密に計算している設計。

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