愛するということ
大学4年の夏は、卒業制作に追われていた。


友里との電話で、きっかけは何だったか忘れたけれど、涼のことがバレて、あっという間に拓馬の耳にも入ってしまった。




それからすぐに、涼が拓馬へ挨拶に行きたいと言い始め、バタバタと婚約の挨拶が行われた。






久しぶりに帰った家は、出て行った時と全く変わりなかった。
変わったことと言えば、この家を涼と訪ねている自分だ。



「瞬ちゃん、お帰りぃ。あっ、小椋さんですよね。初めまして、妹の友里です」


「初めまして、小椋です。友里ちゃんのことは瞬からよく」


「えー瞬ちゃん、どんな風に言ってるんだろう。怖いなぁ。あ、どうぞ中へ。拓馬もそろそろ帰ってくるって連絡ありましたから。」
< 162 / 217 >

この作品をシェア

pagetop