【完】愛の価値
私は仲直りできて嬉しい気持ちと、別れて寂しい気持ちで頭がいっぱいだった。
「どうしたわけ?」
廊下で伊月が訪ねる。
「柚樹がアメリカに移住するんだって。しかも今日…」
「マジかよ。由綺が悲しむな。」
「えっ?」
「由綺の野郎本当は柚樹が好きだったらしい。」
「はぁぁ?」
私に告白してきたくせに!
「なんか今までは由綺の演技。親友の彼女はさすがに好きになれないだってさ。」
「うっわーマジで演技するとこ間違ってるでしょ。」
「まぁ、美途を元気づけたかったんだからいいんじゃね?」
「でもあの二人が同居してるって知る前までは好きだったぜ?」
後ろから由綺がヒョコっと顔を出す。
「うわっ!!由綺いつの間に…」
「今までの話全部聞いてたの?」
「おん。」
「まぁいいや。話す手間が減るから。それで話戻るけど5年後屋上集合だからね!」
「5年後か…(笑)二十歳すぎてんじゃん!!」
「たしかに!!」
「伊月は二十歳になってもガキの頃と同じ性格だな。」
「んだてめぇ!!やるか?」
そして廊下に笑い声が響いた。