【完】愛の価値
え…何?
"美途とこれた気がして嬉しい…?"
私達の思い出ってそんな簡単なものなの?
確かに私は釘宮美途だよ?
でも伊月は私を伊藤架恋って思ってる。
私と伊月の思い出は伊藤架恋でそんな気になれるの?
私は釘宮美途じゃないんだよ?
私は下を向いてそう伊月に訴える。
「伊藤?」
「ごめん。先帰るわ。」
私は席をたち走り去った。
「は?おい、伊藤?」
後ろで伊月の声がしたが私は振り返らず走った。