12年目の恋物語

中等部に上がって、数ヶ月が経った頃。



ある日、学校に行くと、

昨日まで仲が良かった子たちが、

誰も、口をきいてくれなくなっていた。



自慢じゃないけど、友だちは多い方だった。

どちらかと言えば、人の中心にいる方が多かった。



なんで!?



最初は冗談かと思った。

仲の良かった子に、なんでって、聞いてみた。



だけど、

誰も、何も教えてくれなかった。



教えてくれるどころか、目を伏せ、口もきいてもらえなかった。



ただ、何となく、わたしは、その頃、グループのボスだった、仕切りたがり屋の子を怒らせてしまったんだろうと、察した。



なんで!?



たった、それだけで!?



あんなことくらいで!?



昨日まで、仲良くおしゃべりしてたじゃん!!



……だけど、そんな思いは届かず、わたしは孤立した。



もう、グループはしっかりでき上がっていて、

誰も、クラスのボスに君臨しようとしていた、その子に逆らおうとはしなかった。



誰もが、波風を立てないよう、息を殺して、自分に火の粉が飛ばないように、口を閉ざした。





陽菜を除いて。
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