教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
第七楽章 いつもの平和で平凡なスクールライフ
-翌朝-


頭上から先生の声がした。


「青葉、時間だぞ」


「はーい…」


まだ頭は半分寝ている。


ふと見上げると、白のワイシャツに水色のネクタイ、そして黒のズボンという服装の先生が視界に入ってきた。


ラフな服装の先生もまた素敵だなぁ。


そんなささいなことで頭がいっぱいだったが、先生の声があたしを現実に引き戻した。


「今6時50分だぜ。あと10分でレイが来るぞ」


「えっ!?」


「早く着替えろ。レイにバレたらどうする」


もう、先生の鬼!


そんなんだったらもっと早く起こしてよ。


と、心の中で叫びながら手早く着替えを済ませ、レイさんが来る頃には、何もなかったように髪を整えていたのであった。


「おはようございます。湊典ぼっちゃん、水香様」


水香様、と聞いてあたしは少し照れてしまった。


「おう。おはよう、レイ」


先生は普通に返事をしている。


しかも森田湊典特製さわやかスマイルのおまけ付きだ。


きっと言われ慣れているのだろう。


「湊典ぼっちゃん、水香様。お食事はこちらにお持ちしましょうか」


「ああ。頼む」


「かしこまりました。では、のちほどお持ち致しましょう」


レイさんは深々と頭を下げて部屋を出ていく。


しばらくして朝ごはんが運ばれてきたが、あたしは微動だに出来なかった。
< 48 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop