隣に住んでいるのは先生で……。



―――ドクンッドクンッ



自然と掌を握りしめながら帰路を歩いていた。



掌に汗をかいている。



そんなに暑い季節でもないのに………



あぁ………緊張してるからかぁ………。



緊張したら、人間ってこんなにも冷や汗をかくんだ………。



そんなことを考えていると、やっぱり家に帰りたくなくなった。



何より昨日のようなお姉ちゃんに会いたくなかった。



でも、気持ちとは裏腹に気づいた時には家の前だった。



―――スウッ



私は一呼吸して、玄関のドアを開けた。



「………ただいま」



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