隣に住んでいるのは先生で……。



「綾子………」



久しぶりにお姉ちゃんに名前を呼ばれたような感覚に陥った。



「お姉ちゃん………」



それだけで嬉しかった。



それに昨日みたいに睨まれなかった。



でも、昨日と同じようにお姉ちゃんの瞳は悲しさに包まれていた。



どうして………?



そんなに辛そうに私を見ているの………?



そう思っていると、急にお姉ちゃんの表情が変わった。



昨日のお姉ちゃんみたいに私を鋭い目つきで睨んできた。



―――ゾクッ



お姉ちゃん睨まれている私は恐怖心から手足が震え出した。



「出て行って!!!」



私に向かって大声で言った。



「えっ………」



「お願い………出て行って!!!」



「何で………そん……な………」



私は何でこんなことになっているのか分からなかった。



「綾子の顔なんか見たくない!綾子なんか………大嫌い!!!」



アヤコナンカ………ダイキライ………。



ただ、お姉ちゃんに言われた言葉が頭に入ってこなかった。



そして、私はその場に立ちすくんで動けないでいた。






< 206 / 281 >

この作品をシェア

pagetop