隣に住んでいるのは先生で……。



それから、お姉ちゃんとの記憶があまりない………。



それでも、私はいつかは仲直りできる。



また、前みたいに笑い合えるって信じていた。






そして、高校3年生だったお姉ちゃんが高校を卒業した。



そして、私から離れるようにお姉ちゃんは実家を出て行った。






私はいつものように、自分の部屋に向かっていた。



すると、お姉ちゃんの部屋が少しだけ開いていた。



私は何となく少し開いたドアの隙間に誘われるように、久しぶりにお姉ちゃんの部屋に入り、空っぽになったお姉ちゃんの部屋を眺めた。



この部屋に入るのはいつぶりだろう………。



あの時以来かぁ………。



今でも、鮮明に覚えている。



「綾子の顔なんか見たくない!綾子なんか………大嫌い!!!」



目を閉じると、お姉ちゃんのあの時の声がふと蘇る。



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