隣に住んでいるのは先生で……。



「………っこ、………綾子」



走っていると後ろから私を呼ぶ声が聞こえた。



えっ………誰?



誰が私を呼んでいるの………?



そう思い、私は声がする方を向いた。



でも………



涙で霞んで前が見えない。



涙で拭っても、拭ってもなかなか見えなくて………。



でも、聞こえる。



私を呼ぶ声が………。



それに懐かしい………。



誰………?



誰が………呼んでいるの………?



零れる涙を拭っていたら、次第に視界の霞みは無くなり、人影が見えるようになった。



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