隣に住んでいるのは先生で……。



すると、先生はいつもの意地悪さも勢いも無くなり、とても弱々しく………



「消えそうなんだ………」



まるで、直ぐにでも消え去りそうな声で言った。



「消える………?」



誰が………?



私が………!?



そして、



………ぎゅっ



そっと私を包み込むように優しく抱きしめた。



「えっ………ちょっと………////」



「お願い………。お願いだから………俺の傍にいてよ」



その瞬間、先生の抱きしめている力が強くなった。



「ちょっと………苦し………よ」



「あっ………、ごめん………」



そう言って、抱きしめていた力を少し緩めた。



でも、相変わらず離してはくれない。



「忘れないで………。俺がずっと好きなのは綾子だけだから………」



今日の先生はどこか焦った様子でまるで寂しがり屋な子供みたい………。



でも、痛いくらい伝わってくるんだ………。



先生からの想いが………。


そんな先生を私は抱きしめたくなって………



………ぎゅっ



私は先生に返事をするように、先生の背中に両手で手を添えた。



私は先生の傍にいたいよ………。



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