隣に住んでいるのは先生で……。

思い出




―――パチッ



私がどんな思いをしていても、やっぱり朝は来るんだ………。



ベッドに寝ていて、起きた瞬間こんなことを考えるなんて………。



きっと、私は昨日一日でとっても変わってしまったからだろう………。



昨日はあれから、玄関口で抱き合っていた私はしばらく落ち着いたら家に帰った。



先生は帰り際、とっても寂しそうに子犬みたいなうるうるとした目をしていた。



その目を見て、一瞬帰りたくないと思ったけど、やっぱりそういう訳にはいかなくて、先生に手を振った。



それから、家に帰った私にお母さんとお姉ちゃんが言ったことはすべて嘘のような話ばかりだった。






先生と私達は幼なじみで昔から仲が良かった。



そして、家も隣だったらしい………。



そして、とっても信じられないことを私は言われた。



私は昔、交通事故にあっているということ。



私がこんなにも思い出せないのは、その時の事故の後遺症だって………。



お姉ちゃんがさっき言葉に詰まった理由はこれがあったからだと思った。



でもいきなり、そんなの言われても信じられるはずないよ………。



自分には記憶が欠けているなんて………。



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