親友ときどき上司~熱風注意報~
荘司の態度に更にぶすっと頬を膨らませた瑞希は、次の瞬間には泣きそうな顔になって、それを隠すように椅子に座った。
小さな手を併せて、いただきますとか細く言ってサンドイッチに手を伸ばす。
虐めているような気分になった荘司が内心焦る。
詰め込むようにサンドイッチを頬張る瑞希に、
「ゆっくり食べなさい。」
と思わず声をかけてしまい、また瑞希に睨まれた。
荘司の好きな髪と同じ漆黒の瞳が怒りで潤み、荘司に触れられて可愛く乱れた瑞希と重なる。
散々待たされた瑞希の気持ちが、今自分に向いている事を嬉しく思う反面、散々待たされたせいで、その気持ちに一抹の不安もある。
もしかしたら、昨日あんな事があったせいで勘違いしているのかもしれないと。
その勘違いに自分は付け込んで瑞希を手に入れようとしているのではないか。
だから、せめて、もう少し待とうと思っていたのだが―――
結局、我慢できなくて中途半端に瑞希に手を出したのだから、自業自得のように思えた。