親友ときどき上司~熱風注意報~
「おはよう。少しなら食べれる?」
リビングに出た瑞希に、荘司はキッチンで洗い物をしながら微笑んだ。
ジャケットを脱いだスラックスとYシャツ姿に黒いエプロン。
Yシャツの袖を捲った逞しい腕が、どうやらフライパンを洗っている。
対面式のキッチンのカウンターテーブルには、トーストとオムレツにサラダ、一口大にカットされた林檎が一皿に綺麗に盛り付けられていた。
テーブルの端には、いつもの弁当箱。大きめの荘司の物と小さめの瑞希の物が並んでる。
ナイトウェアのままテーブルに付いた瑞希は、
「何かが間違っている気がする。」
と、不満な顔付きで荘司を見た。
「好きだから、してるのよ。」
そう言って肩を竦めた荘司に、心臓が跳ねる。