『短編』甲子園より、愛をこめて




9回裏2アウトランナーなし。


1点を追う形で、迎えてしまった最終回。


いよいよ追いつめられて、祈る気持ちでメガホンを握りしめる。


これで彼の夢を終わらせたくない。


彼にまだ野球をさせてあげたい。


祈りながらボールの行方を見つめる。


しかし願い虚しく、バッターのバットは空を切り、ボールはキャッチャーのミットに吸い込まれていた。






彼の夏が、終わった瞬間だった。

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